昨今ちまたで語彙力が持てはやされていますが、私に言わせれば生ぬるいんですよ。
そこらの自己啓発本に載っているような適当な問題に辟易しているあなたに、本当の教養とはどういうものかお見せしましょう。
解説
白河夜船(しらかわよふね)
正解:白河夜船で恥をかく
「白河夜船」とは、知ったかぶりをすることです。
昔、京都に旅行したとウソをつく人が、白河について聞かれて川のことだと思い、夜に船で通ったから知らないと答えたという逸話に由来します。本当の白河は京都の有名な地名の一つで、院政を始めた白河天皇の御所があることなどで知られます。
薩摩守(さつまのかみ)
正解:薩摩守は立派な犯罪である。
「薩摩守」とは、鉄道などの乗り物に無賃乗車をすることです。
平安時代に、平清盛の弟の一人、平忠度(ただのり)が薩摩守という役職に任じられたことがあり、タダノリ=無賃乗車という語呂合わせから生まれた言葉です。一説には江戸時代には使われていたとか。ちなみに平家物語で、都落ちの時に和歌を託す忠度が泣けるんですよね…。
櫛比(しっぴ)
正解:高層ビルが櫛比する。
「櫛比」とは、すき間なくびっしりと並んでいることです。
櫛の訓読みは「くし」で、物が並んでいる様子をくしの歯に例えた言葉です。漢字が読めれば意味を類推できるので、まあこれはサービス問題でしたね。
蒲柳の質(ほりゅうのしつ)
正解:妻は生来、蒲柳の質である。
「蒲柳の質」とは、体が弱く病気になりやすい体質のことです。
蒲柳はヤナギの木の一種で、すぐに葉を落としてしまうことから生まれた言葉です。文学では美人のイメージを表すこともあります。
逐鹿(ちくろく)
正解:激しい逐鹿が繰り広げられた。
「逐鹿(ちくろく)」とは、重要な地位を得ようと争うことです。
昔中国で、鹿が皇帝の地位の象徴とされていたことに由来する言葉です。現代では、議員選挙や会社内の政争などに対して使われます。